筑波大生の自由研究

ある筑波大生が一生懸命に考えるブログ

大学生が読むべき哲学書 岡本太郎『自分の中に毒を持て』

 

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 煩悩を火を消すことは難しい。ならば最大限に大きな煩悩を持とう。岡本太郎が教えてくれた大乗の生き方について考える。

 

【本、著者の紹介】

 岡本太郎はぼくが最も尊敬する人の一人だ。岡本太郎は芸術家というイメージが強いかもしれない。「芸術は爆発だ。」と言えば太郎、その人である。

 

 しかし、太郎は文学者としても有名である。特に今回紹介する『自分の中に毒を持て』は、一般の人の中でも受け入れやすく人気がある本だろう。

 

 この『自分の中に毒を持て』、主張は単純明快である。「常識を疑え、自分自身で未来を作り出せ。」と、太郎はそう訴えかける。

 

【幸福反対論者】

 

 太郎は自身を幸福反対論者だと言う。ニブイ人間だけが「しあわせ」なんだ。僕は幸福という言葉は大嫌いだ。」と幸せな人間を鋭く批判している。

 

 太郎に影響され、ぼくも幸福反対論者を貫いている。進学した筑波大学の人間学群は、偏差値66。異論はあるだろうが、一応高学歴の部類に入るはずだ。そうしようと思えば、給料が良く安定した大企業に就職することも容易だろう。一般的に考えれば“幸せ”な方かもしれない。ただ、幸せになろうなどとは一切考えていない

 

 太郎の言葉を借りれば、「ニブい人間だけが「しあわせ」なんだ。」と思う。よく考えて欲しい。自分が成功して良い生活をしている一方で、その隣の家で苦しい思いをしている人がいるかもしれないじゃないか。

 

 日本はいたって平和だが、世界に目を向ければそうでない人の方が良い。自分、自分の家族が良い暮らしをしていれば、それが果たして「しあわせ」と言えるのだろうか。

 

 自分が良ければ幸せである、自分の親しい人が良ければ幸せであるとはどうにも思えない。自分の知らない人も含めて、すべての人が苦しみが無くなるまで幸せとは口が裂けても言いたくない。

 

【煩悩はデカければ、デカいほど良い。】

 

 太郎の言った言葉のなかで、もっともデカい煩悩を語っている部分はこれだと思う。

 

「本当に人間の運命全体を考えたら、絶対幸せじゃありえない。

自分だけが運よく生きていられるなんていうことぐらい卑しいことはない。

 

人間全体のために。」

 

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太郎の煩悩はとてつもなくデカい。「自分だけ幸せ」になりたいなどというちっぽけな煩悩ではない。「世界中すべての人の幸せ」を望むのだ。

 

隣の家の人も、地球の裏側の人も、自分が死んだ後の世界の人も、そういう人すべてを「人間全体」という言葉で言い表しているはずだ。すべての人に幸せになって欲しい、それが太郎なのである。

 

ちっぽけな煩悩を持つ人は、「自分が」を考える。そんなものは卑しい。もっと大きな煩悩を持つべきだ。「すべての人が」こうあって欲しいという、とてつもない大きな煩悩だ。

 

悟ることが出来ない非凡は、煩悩の火を消すことは出来ない。ならば、一番大きな煩悩を持とう。たとえば「誰かに悪口を言われたくない」というちっぽけな煩悩から、「すべての人が偏見や差別的発言で傷ついて欲しくない」といった煩悩にかえるといった風にだ。

 

小さな煩悩は卑しい。彼女が欲しい、お金が欲しいなどとちっぽけな煩悩ばかりを考えている大学生は多い。大学はそんな卑しい人間ばかりだ。自分が良く見られたいとか、そんな話をする人ばかりだということはあなたもわかるだろう。自分のちっぽけな欲のために、くだらない話をしている。そんなひとにはこの本を読んで「とてつもなく大きな煩悩」を見つけて欲しい。

 

ちなみにとてつもなく大きな煩悩を持っている人は、みな必ず人生を楽しめている。そこには「しあわせ」は決して無いが、燃え上がるような「歓喜」が存在している。そんな世界を見てみたいあなたはこの本を読むべきだろう。岡本太郎『自分の中に毒を持て』。きっとあなたを飲み込んで、そんな世界まで連れて行ってくれるはずだ。